個人事業主と法人については様々な違いが存在しますが、ここでは、特に代表的な4つの違いについて説明いたします。
個人事業主になるための手続きは、税務署に開業届を提出するだけで済みます。その際に税務署に支払う費用は発生しないため、事業に関わる費用のみで開業することが出来ます。
法人は、最終的に法人設立の登記を申請することで設立できます。つまり、そのために必要な手続きを順番に行っていく必要があります。株式会社を例にとると、まず会社の中身(商号や目的等)を決め、印鑑の購入、定款の作成等々の手続きを経て登記が完了します。登記の登録免許税については、株式会社で最低でも15万円、合同会社で6万円は必要になります。その他、専門家に依頼する場合、手数料等の発生します。
また、法人の場合、資本金の準備も必要になります。法律上、1円からすることも可能ですが、極端に少ない会社ですとその会社の信用度にも関わるので、十分な考慮が必要です。
税金の違い
個人事業主と法人では、税金面について様々な違いがあり、法人化で節税を実現するためにはこの違いを理解する必要があります。具体的な内容については顧問税理士等の専門家に相談することをおすすめします。
計上できる経費の違い
個人事業主も法人も事業用にかかった費用は、基本的に全て経費として計上することが出来ますが、個人事業主は、法人と比べると認められる経費の範囲が狭くなります。例えば、賃貸の住居の自宅兼事務所としている場合、家事按分し、家賃と水道光熱費などを経費として計上します。家事按分とは、面積比などで事務所部分に該当する経費を算出することをいいます。
一方で、法人の場合、会社名義で賃貸契約をし、社宅として社長に貸すことで、家賃の大半を経費として計上することが可能です。具体的に事例は割愛しますが、このように事業に係る費用の多くを経費として計上することが可能になります。
社会的信用
社会的信用には「取引先や顧客からの信用」と「金融機関からの信用」の2種類に分けられます。
個人事業主は実態が外部から調査しにくいこと、収入が不安定なことなどから、法人に比べると信用度は低い傾向にあります。法人の場合、「商号・本店所在地・目的・資本金・役員構成」を相手が調べることができること、財務状況を把握しやすいことなどから、一定の信頼に繋がるメリットがあります。」