遺言書とは?

遺言は、相続手続きの際のトラブルを防ぐことができる有効な手段の一つとして、昨今注目を浴びています。
法定相続分よりも遺言による相続分が優先されますので、自分の財産を誰にどのように相続させるのか、最終的な意思を自由に決めることができます。

目次

遺言書は専門家へ原案作成の支援依頼をするのがおすすめです。

遺言は、原則として何度も書き換え可能です。古い遺言と新しい遺言の内容が重複した場合、新しいものが有効となります。しかし実際には、前の遺言にしか書いていない事項は、その部分だけ前の遺言が有効とり、作成後、受遺者の一人が先に亡くなってしまった。というケースもあり、遺言の作成には中長期的な視点も考慮した専門的知識が要求されます。また、新しい遺言を作ってもその存在が見つからなかったり、隠蔽されたりすると、前の遺言が利用される場合があります。

遺言作成の専門家が遺言を考えているお客様と一緒に考えることによって、できるだけ書き換えの必要のないものでかつ、遺言の執行の際にしっかり実務上使えるように原案を作成していきます。

遺言には最も有名なものとして【自筆証書遺言】と【公正証書遺言】があります。

自筆証書遺言とは、遺言を作成する人が、全文・日付・氏名を自筆で書き押印する方法で作成する遺言書です。
自分で気軽に作成でき、紙とペンさえあれば、いつでもどこでも作成できます。しかし、紛失・偽造・変造の危険性があり、内容に不備があれば無効になる可能性があります。また、家庭裁判所の検認手続が必要とされる(遺言保管法による遺言保管申請した方を除く)

3つの要件

自筆で全文を書く

遺言者本人が自筆(手書き)で全文を書きましょう。 パソコンで書いたものや録音、録画、家族等による代筆は無効になります。これは自筆の筆跡により、第三者による不正や偽造を防ぐためのものです。ただし、法律が改正され、2019年1月13日からは相続財産の全部または一部の目録を添付する場合は、その目録についてはパソコンで作成したものでも良いことになりました。通帳の写しや土地の登記事項証明書を添付することもできます。

日付を正確に書く

遺言書を作成した日付を「令和4年8月1日」等と正確に書きましょう。遺言者の死後、複数の遺言書が残っていた場合、内容に相違があれば日付が新しいものが有効になります。よって「令和4年8月吉日」などの書き方は日付が特定できない為、無効となる恐れがありますので注意が必要です。

印鑑が必要

押印は、偽装等を防ぎ、遺言者の真意を担保するためのものです。なお、使用すべき印鑑には制限はありませんので、三文判でも有効です。一方で、証拠力・後々のトラブル防止の観点を考えると実印で押印した方が(印鑑証明書も添付)より安全性は高いです。

公正証書遺言とは遺言者が公証人へ口頭で遺言の内容を伝え、公証人が遺言書を作成するものです。
この場合、相続手続きをする際の、家庭裁判所の検認は不要となります。

検認が不要

自筆証書遺言の場合、相続人が遺言を発見しても、家庭裁判所に検認という手続きが必ず必要となります。検認とは、家庭裁判所が自筆証書遺言の存在と形式を確認する手続きをいいます。この手続きには、亡くなった方の相続人が誰か。ということがわかるように亡くなった方の出生から死亡までの戸籍相続人の戸籍をすべてそろえて、家庭裁判所に申請をし、相続人に検認期日を通知し、検認期日に開封をし、検認完了となります。
これに対し、公正証書遺言は、検認の必要がないため、スムーズに遺言が実務上使えます。

どこにでも手続きの際で通用する

公正証書遺言とは、公証役場という公的な機関にお墨付きを受けた遺言書です。公証人は、もともとは裁判官であった方など法律の世界に長く携わっている非常に優秀な方ですので信頼性を担保されます。そのため、公証人のお墨付きをもらった遺言は銀行や法務局などどこにいっても手続きの際に通用する強力なものになります

保管を公証役場がしてくれる

遺言書を自宅の失火で焼失、または、紛失、さらには残された家族が隠蔽することも考えられます。公正証書遺言なら、公正証書の原本を公証役場で保管していますので、紛失、盗難、改ざんの恐れがありません。よって、さまざまなリスクを回避できるという点で、専門家の立場からすると、遺言は公正証書遺言の作成をおすすめします。

制作の流れ

  1. 証人2人以上の立ち会いが必要
  2. 遺言者が公証人に遺言の趣旨を口頭で伝える
  3. 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者と承認に読み聞かせ、又は閲覧させる
  4. 遺言者及び承認が、筆記した内容を確認し承認した後、各自これに自署・押印する(※遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を附記し署名に代えることができる)
  5. 公証人がこれに署名・押印する。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次